アピラボbyメーキャップラバーズ

更年期の薄毛対策と治療法について臨床化粧療法士®が解説します!

臨床化粧療法士®として暮らしの保健室の化粧外来を担当して9年目に入りました。

 

開設当初は、主にがん治療による副作用で外見的なお悩みを抱える方へのケアやサポートがメインでしたが、コロナ禍以降は、年齢によるお悩みや、医療美容に関する相談など、疾病の有無を問わずにご相談いただける機会が増えてきています。

 

そうであることを願いながら続けてきた私としては、本望です。

 

中でも、特に、多いのが「更年期」に伴う肌や髪や体型の変化についてのご相談です。

 

今回は、更年期の薄毛対策について触れてゆきたいと思います。

 

更年期薄毛の基礎と原因

更年期には、髪のボリュームが減ったり、薄毛の不安を感じる方が少なくありません。

 

更年期は女性ホルモンの減少が著しく進む時期であり、頭皮の血流や毛母細胞の活動にも影響を及ぼします。

 

エストロゲンの低下は髪の成長サイクルを乱し、成長期が短縮して休止期が相対的に長くなることで、髪のコシやボリュームが失われやすくなります。

 

エストロゲンの減少による更年期の外見変化については、他の記事でも解説しておりますので、ご参考にどうぞ。

 

知られざる更年期の真実、骨の老化とたるみの因果関係!

 

さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールの上昇も毛包の働きを抑制し、薄毛を促進する要因として機能します。

 

生活習慣の変化、睡眠の質の低下、栄養不足、頭皮の環境悪化も相まって、年齢とともに髪のボリュームが細く薄くなる傾向が強まります。

 

更年期と薄毛の関係とメカニズム

髪は一定のサイクルで成長期・退行期・休止期を繰り返しています。

 

更年期にはエストロゲンとプロゲステロンの分泌が低下し、男性ホルモンの相対的な影響が増します。

 

テストステロンは頭皮の酵素5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、毛包を縮小させる作用を強めます。

 

これが「男性型脱毛症に似た薄毛」へとつながるケースが増える要因です。

 

加えて血管拡張や血流の変化が毛包への栄養供給を不安定にし、髪の成長サイクルを乱します。

 

慢性的な体内環境の変化は、髪の密度を低下させ、分け目の広がりや全体的なボリュームの欠如として現れやすくなります。

 

 

薄毛のタイプと特徴

更年期に見られる薄毛は複数のタイプが合併することが多く、以下の特徴が挙げられます。

 

まず、全体的に髪の密度が低下する「弥散性脱毛」型は、頭全体の髪が細くなることで髪量が減少します。

 

次に、頭頂部の髪が特に薄くなる「頭頂部薄毛」型は、DHTの影響を受けやすい部位での毛髪の退行が目立ちます。

 

さらに、生活習慣や栄養状態が影響するため、部分的には「細毛化」によって髪の表面がペタッとした印象になることもあります。

 

個人差は大きいですが、頭皮の健康状態と毛包の長期的なダメージが重なると、回復が難しくなる場合もあるため早期のケアが重要です。

 

影響を受けやすい要因とリスク

薄毛の進行には多くの要因が絡み合います。

 

遺伝的要因は個人のベースラインとなり、家族歴があると薄毛のリスクが高まると言われています。

 

ライフスタイルとしては「睡眠不足」「過度なストレス」「喫煙」「過剰なダイエット」などが頭皮環境を悪化させ、毛髪の成長サイクルを乱します。

 

栄養面ではタンパク質・鉄分・亜鉛・ビタミン類の不足が髪の基礎材料不足を招き、髪の細さや抜けやすさを助長します。

 

女性ホルモンの分泌変化と相まって、既に薄毛傾向にある人はこれらの要因に対する耐性が低下することがあります。

 

頭皮ケアの不適切さ(過剰なシャンプー、強い刺激のある製品、頭皮の機械的刺激)も毛包の炎症や刺激性脱毛を誘発する可能性があります。

 

薄毛対策の基本と生活習慣

薄毛対策は、日々の生活習慣と基礎的なケアを整えることが土台になります。

 

加齢による変化やホルモンの影響を理解しつつ、髪と頭皮の健康を維持するための具体的な取り組みを、食事・頭皮ケア・睡眠・ストレス管理・活用する道具(ウィッグを含む)という五つの軸で整理します。

 

適切な習慣は髪の成長サイクルを安定させ、薄毛の進行を遅らせる可能性があります。

 

個人差はあるものの、多くのケースで小さな積み重ねが効果を生み出します。

 

栄養と食事のポイント

髪の成分は主にタンパク質であり、髪の主成分であるケラチンの生成には十分な栄養が必要です。

 

タンパク質源としては肉・魚・卵・大豆製品などをバランス良く摂取すると良いでしょう。

 

加えて亜鉛、鉄分、ビタミンB群、ビオチン、ビタミンD、オメガ-3脂肪酸などが髪の健康に関与します。

 

過度の糖質摂取や加工食品の偏りは血糖値の乱高下を招き、頭皮環境を悪化させる恐れがあります。

 

毎日1~2回の食事で、野菜・果物・良質の脂質を組み合わせ、過度なダイエットは避けましょう。

 

水分摂取も忘れず、頭皮の乾燥を防ぐことが大切です。

 

頭皮ケアと髪の扱い方

頭皮は髪の土台です。

 

過度な洗浄や刺激の強い製品の頻繁な使用は、皮脂膜を壊し頭皮環境を乱すことがあります。

 

優しく洗い、適切な洗髪頻度を保つことが基本です。

 

頭皮マッサージは血行を促進し、毛包への酸素供給を助けるとされています。

 

ドライヤーは過熱を避け、タオルドライは強くこすらず水分を吸い取る程度に留め、髪の根元を高温で乾かさないようにします。

 

ブラッシングは強く引っ張らず、目の細かいクシを使って静電気を抑えつつ、髪の絡まりをほどく方法が望ましいです。

 

カラーやパーマを頻繁に繰り返す場合は、髪のダメージが蓄積しやすいので適度な休止期間を設けましょう。

 

睡眠・ストレス管理と生活習慣の改善

睡眠は髪の再生と成長のリズムに直接影響します。

 

規則正しい睡眠時間の確保と、就寝前のリラックス習慣(ブルーライトの抑制、カフェイン控え、適度な運動など)が重要です。

 

ストレスはホルモンバランスを乱し、薄毛を悪化させる要因となることがあります。

 

呼吸法や短時間の瞑想、日中の適度な運動を取り入れ、ストレスを管理する習慣を作りましょう。

 

喫煙は頭皮の血流を悪化させる可能性があるため、禁煙または減煙を検討することも有効です。

 

睡眠とストレスの改善は、髪の成長サイクルの正常化に寄与します。

 

ウィッグの活用法

ウィッグは薄毛をカバーし、自信回復の手段として有効です。

 

選ぶ際は頭囲に合うサイズ、自然な毛流れ、色味の違和感の少なさを基準にしましょう。

 

オンラインショッピングであったとしても、購入前に試着可能なサービスを選んでゆくと失敗する可能性が低くなります。

 

頭皮に負担をかけない軽量タイプや、汗をかいても蒸れにくい素材を選ぶと長時間の使用でも快適です。

 

着用方法は様々なタイプがあり、ウィッグネットでの固定や、専用のスカーフや帽子との組み合わせなどで自然な見た目を追求できます。

 

お手入れは、洗浄・乾燥・保管を丁寧に行い、衛生面を保つことが大切です。

 

薄毛対策としてウィッグを使う際には、医療的治療や栄養管理と並行して心理的なストレスを軽減する効果も期待できます。

 

 

こちらの記事も、ぜひ併せてご参考ください。

 

ピースウィッグで気軽におしゃれを楽しもう♪

 

治療法と選択のポイント

更年期薄毛に対する治療は個々の状態や原因、生活習慣によって最適な組み合わせが変わります。

 

ここでは医療的治療の現状と適用条件、外用薬・内服薬の選択とリスク、専門医の受診タイミングと相談の準備を順に解説します。

 

治療は早めの情報収集と専門家との共有が鍵となり、自己判断で過度な期待や安易な選択を避けることが重要です。

 

医療的治療の現状と適用条件

更年期に伴う薄毛には、女性用の薄毛治療薬や育毛介入が選択肢として現実的になってきています。

 

代表的な治療のポイントは以下のとおりです。

 

まず、毛髪の成長サイクルの乱れを改善し、髪の密度を回復する目的で、女性用の内服薬が処方されるケースがあります。

 

これにはエストロゲンの低下に伴う頭皮環境の改善を狙うアプローチが含まれ、医師の判断のもと適用されます。

 

次に、男性型脱毛症で用いられるミノキシジル系の外用薬が女性にも処方されることがあり、頭皮の血流改善と毛包の活性化を促します。

 

ただし使用には年齢・既往歴・妊娠・授乳の有無などの条件が関与します。

 

最後に、ホルモン補充療法(HRT)は更年期症状全般の改善を目的として用いられることがあり、薄毛に対する直接的効果だけでなく全身の健康状態改善を狙う目的で活用されています。

 

ただし、HRTの適用には血栓リスク、乳腺・子宮の既往歴、各種検査結果等を総合的に評価する必要があります。

 

適用条件の決定は個別性が非常に高いため、自己判断は避けるようにしましょう。

 

薄毛のタイプ(分娩後の一過性、閉経前後の頭皮の変化、円形脱毛症の可能性など)、頭皮の状態、既往歴、現在の薬剤、生活習慣、希望する治療の負担量などを総合して、医師が最適なプランを提案してくれるでしょう。

 

 

外用薬・内服薬の選択とリスク

外用薬と内服薬は、それぞれ利点とリスクが異なります。

 

外用薬の主な利点は頭皮への局所作用で副作用が全身に及ぶリスクが比較的低い点です。

 

代表的な成分としてはミノキシジル系があり、血流を改善し毛包の休止期から成長期への移行を促します。

 

使用上の注意としては、刺激性、頭皮のかぶれ、発赤、かゆみなど局所反応が生じることがあります。

 

長期間の使用で効果が現れるには時間がかかる点と、継続的な使用が前提になる点を理解しておくことが重要です。

 

副作用としては頭皮の乾燥や炎症、ごく稀に全身症状が出るケースも報告されています。

 

内服薬は全身作用を伴う分、効果の安定性が高い一方で全身性の副作用リスクが増えます。

 

ホルモン系薬剤、抗男性ホルモン薬、血圧・代謝関連薬など、個々の薬剤ごとに適用条件と禁忌が異なります。

 

代表的なリスクには血圧変動、体重増加、月経異常、頭痛、腎機能・肝機能への影響、その他薬物相互作用があります。

 

妊娠の可能性がある場合や授乳中の場合は特に慎重な判断が必要です。

 

薬剤選択は、頭皮の状態、脱毛の原因の背景、他の治療との組み合わせ、生活習慣、希望する副作用の許容度を総合して決定します。

 

治療開始前には、医師が既往歴・現在の薬剤・血液検査結果を確認します。

 

副作用が現れた場合にはすみやかに報告し、必要に応じて薬剤の変更や用量調整を行います。

 

専門医の受診タイミングと相談の準備

受診の適切なタイミングは、薄毛の進行度や生活への影響度を踏まえ、早めの段階で専門医に相談することが望ましいです。

 

以下のサインが見られる場合は、早期受診を検討してください。

 

 

– 毛髪の抜け方が急速に進む、髪のボリュームが急激に減少する

– 頭皮のかゆみ・赤み・炎症が持続する

– 現在の生活習慣改善だけでは十分と感じられない

 

 

受診準備としては、以下を揃えると相談が円滑になります。

 

 

1) 近況の抜け毛の量と期間、抜け方の特徴(髪の束状か一部の毛かなど)。

2) 現在の薬剤・サプリメント・ホルモン療法の有無と服用期間。

3) 家族歴・自己の既往歴(乳がん・子宮筋腫・血栓症などの重要項目)。

4) 生活習慣、睡眠・ストレス状態、食事の習慣。

5) 写真での経過記録、頭皮状態の観察ポイント(脂性・乾燥・頭皮炎の有無)。

 

 

受診時には、医師へ希望する治療方針(効果の速度、コスト、日常生活への負担、副作用の許容度など)を具体的に伝えると、現実的なプランが立てやすくなります。

 

また、他の医療機関での治療歴がある場合は紹介状や検査結果を持参するとスムーズです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

様々な選択肢の中から、時間的・金銭的なコストなどを加味して、自分に合った一番安心できる方法を選んでゆけることを願っています。

 

化粧外来の他に、オンラインや対面での個別相談も承っています。

https://www.apilabo.online/

 

独りで悩まずに、解決策の模索をお手伝いさせていただけたら嬉しいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

河村 しおり

臨床化粧療法士®
2002年指定難病SLE発病。一時寝たきりになるものの、長きに渡る闘病とリハビリの末、お化粧のちからにより社会復帰を果たす。2012年より理美容総合卸売業を経て、2017年4月、一般社団法人日本臨床化粧療法士協会を設立。学術研究に基づいたアピアランスケアの考え方を提唱。

資格講座の申し込み

資格講座の申し込み

「臨床化粧療法士®」になる為の資格講座やワークショップを随時開催しています。お化粧のちからで、より多くの方がいきいきと自分らしく活動できる社会を目指します。

コメントは受け付けていません。

Pocket

関連記事RELATED ARTICLE

お化粧のちからで目指す社会貢献のかたち。臨床化粧療法士®資格講座受付中。

お申込みはこちら お申込みはこちら arrow_right
keyboard_arrow_up