アピラボbyメーキャップラバーズ

約10年、臨床化粧療法士®︎としてのキャリアと介入現場レポート

臨床化粧療法士®︎の河村しおりです。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

今回は、資格者の皆さまとの活動報告とともに、私自身のキャリアについて、少し触れてみようと思います。

 

協会設立の経緯

 

早いもので、ボランティア活動期間を含めると、いわゆる化粧療法士としてのキャリアが、もうすぐ10年になります。

 

一難病患者としての想いを募らせ、一般社団法人日本臨床化粧療法士協会を立ち上げ、臨床化粧療法に関わる3つの資格を創設したのは2017年のこと。

 

臨床化粧療法士®︎

臨床化粧アドバイザー

化粧体操指導士

 

設立当初より、有識者の方々にこの活動へのご賛同とご協力いただきながら、臨床化粧療法の啓蒙活動を重ね、資格者の皆さまのサポートを続けさせていただいております。

 

もしかしたら、今このコラムをお読みいただいている方の中にも、

「これから化粧療法関連の資格取得を目指したい!」

 

という方がいらっしゃるかもしれません。

 

色々と調べてゆく中で、関連情報が多く、迷いや不安も多いかと思います。

 

まずは、改めまして臨床化粧療法士®︎資格についてご説明いたします。

臨床化粧療法士®︎資格について

 

 

 

わたしたち臨床化粧療法士®は、医療関連施設などの臨床の場において、患者様に対して化粧療法の支援を行う認定資格者です。

 

例えば0をその方の基準とした場合、0から+1、+2を目指す為の美容ではなく、現状何かしらの理由でマイナスに陥っている方が、0+aへと近づく為に特化した支援を行うことが役割です。

 

事者の意思に基づく「在りたい姿」とは、その方の生き様そのものであり、見た目とは尊厳の格である、というのが臨床化粧療法の考え方です。

 

心理療法を併用した対話型のアプローチは、当事者の意欲形成や自己実現を促すための補完代替医療(CAM)の一環として、患者様やご家族の心理的な支援に寄与します。

 

「あの頃はよかった」よりも「今からはこう在りたい」と願えますように。
たとえ何かを諦めたり失いながらであったとしても、大切な自分らしさを忘れずに過ごせるセカンドライフステージをご支援させていただきます。

 

臨床以外の場においては、疾病の有無を問わず、老化や、いわゆる見た目のコンプレックスなど、外見的なお悩みを抱える方も同様にご支援の対象としています。

 

 

医療系大学機関の研究室の先生方にご協力をいただきながら、研究ベースで、セルフモニタリングを含むアセスメント(評価)を実装しており、団体といたしましては、学術研究に基づきながら、臨床化粧療法の普及活動を行なっております。

 

資格者の方々と一緒に、これら資格を使いながら共にキャリアを重ねて来ました。

 

私一人のちからでは到底なし得ないことです。

 

現在は、施設訪問のほか、医療機関への外部協力や、台湾からのインターン研修生の受け入れ学校関係でのセミナーなどを中心に、実務的な協力体制を培っております。

臨床化粧療法の介入現場の様子

 

画像:施設様ご提供

 

時には化粧体操も取り入れながら♪

 

男性からのニードも高い臨床化粧療法の介入現場の一例です。

 

ベストリハ株式会社が運営するナーシングホーム(看護多機能型施設)では、現在、柏たなか・本千葉の2施設にて、臨床化粧療法士®による美容整容サービスをご利用いただけます。

 

いわゆるホスピス型介護施設という環境下おいて、「人生の最期に在りたい姿」を当事者と共に導き出し、支援をするのは、正直容易なことではありません。

 

ご依頼いただく目的が化粧以外のケースが多くなるのは必然的です。

 

そんな中、先日、また別の施設への介入で、まさに臨床化粧療法が活かされたケースがありました。

現場で生まれるエピソード

 

或る90代女性よりお悩みの声。

 

事前ヒアリングシートには、

「シミ!!!とにかくシミを消したい!」

 

と、ビックリマーク付きで大きく記されていました。

 

実際に会ってお話しを聞いてみると、元気な頃は、娘さんと一緒に医療美容の施術を受けられたりと、とっても美意識が高い方のように感じました。

 

スキンケアも怠らずにやってこられたお肌は、とてもご年齢には見えない美しさ。

 

でも確かに、頬のシミが気になるというお気持ちが私たちにも理解できました。

 

お話しを伺いながら、まずはご自身のスキンケアのおさらい、そして、シミへのケアカバーメイクへ。

 

 

「えー?えぇ!?どうやったの?何使ったの?」

「自分でやる時はどうしたらいいの?」

「今からでも間に合うの?」

「商品じゃなくてやり方なのね」

「練習する!」

 

 

と、それはまるで30代女子と変わらないリアクション。

 

鏡を両手で握りしめ、ずっとずっと離さずに、色々な角度から覗き込みながら感動するご入居者様からのお言葉は、まさに臨床化粧療法の真髄を象徴するものでした。

 

終末期にホスピスで未来を語る。

素晴らしい光景に胸を打たれました。

 

 

イメージ画像

臨床化粧療法士®︎の資格者の皆さまへ

 

現在、上記のような現場への臨床介入実務者、そして学校関係等でのセミナー講師、資格講座講師をそれぞれ募集中です📣

 

新規で学びたい方向けには、ご受講に際してのご質問やお問い合わせも随時承っております。

 

下記資格講座の申し込みページよりお気軽にお問合せください。

この記事を書いた人

河村 しおり

臨床化粧療法士®
2002年指定難病SLE発病。一時寝たきりになるものの、長きに渡る闘病とリハビリの末、お化粧のちからにより社会復帰を果たす。2012年より理美容総合卸売業を経て、2017年4月、一般社団法人日本臨床化粧療法士協会を設立。学術研究に基づいたアピアランスケアの考え方を提唱。

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