臨床化粧療法士®が解説。夏の疲れを癒す、自分のためのセルフケア。
暑さもようやく和らいできましたね。
夏の疲れがどっと出てきて、
なんて感じませんか?
今日は「癒し」という言葉に含まれる意味について、お伝えしていきます。
「癒し」の意味
「癒し」ってなあに?
「癒す」とは、本来、傷や病気に対して用いられる言葉です。
英語ではhealingと記し、代替医療や緩和医療のなかで広義に用いられてきました。
わたしはこの「癒す」という言葉の懐の深さが好きです。
傷を「治す」のではなく「癒す」という部分に疲弊した心や精神的な辛さから解放されるという意味合いが含まれているからです。
学術的な研究では、
癒しとは、身体的・精神的苦痛や苦悩を解消させようという意味がある。
(久保ら,1997)
とされています。
心の疲れに対する「癒し」
日本で「癒し」という言葉が流行したのは1990年代後半のことです。
就職氷河期や景気に陰りがみられてきた時期と重なり「がんばっても報われないストレス」から、皆が解放を求めていました。
ストレス解消、リラクゼーションという意味を込めて「癒し」という言葉が使われるようになったのです。
ここで、心の疲れに対する「癒し」を分類してみましょう。
ストレスの軽減
癒しは、ストレスや不安を軽減するのに役立つことがあります。ストレスやトラウマなどの精神的な負担を軽減し、感情的な安定を促進するために、さまざまな技術やアプローチが使用されます。
セルフケア
癒しは、自己ケアの一環として捉えることもできます。適切な栄養、運動、睡眠、ストレス管理などの健康的な生活習慣を維持することは、心身の癒しにつながります。
自己受容と幸福感
癒しは、ポジティブな感情と幸福感を促進します。
自己表現、趣味、アート、音楽、自然の中で過ごすことなどが、人々に心の癒しをもたらすことがあります。
セルフケアで自分を癒そう
心を癒すセルフケア
「癒されたいなあ。」と感じたとき、心が疲れてしまったなと感じるとき、自分で自分を労わることができたらいいですよね。
ここで、そのほんの一例を取り上げてみましょう。
体を動かす
運動には、心と体をリラックスさせて睡眠リズムを整える効果があります。
とくに効果的なのは体に空気を取り込みながら行う有酸素運動です。
ダイエット目的ではなく、心を癒すことが目的なので10~20分の短時間でも、十分な効果がありますよ。
家の近所を散歩してみたり、ダンスをしてみたりしてもよいですね。
公園など、自然の多いところへ行く
わたしの職場では「森林セラピー」というものに取り組んでいます。
都内でも、緑の多い公園へ出かけて深呼吸をしてみたり芝生の上を裸足で歩いてみたりすることで、「癒し」の効果を感じることができます。
腹式呼吸
ストレスを感じている体は呼吸が浅く、「ハアハア」と息が上がってくることもあります。
息をしっかり吐いて、新鮮な空気を体に取り込みましょう。
・イスに浅く腰掛け、目を閉じます。
・「1,2,3」と頭の中で数えながら、しっかり息を吐きましょう。
・同じように3秒かけて、ゆっくりと鼻から息を吸いましょう。
・5~10分繰り返します。
不安が頭をよぎっても、呼吸に集中することで意識を切り替えることができますよ。
さいごに
もう30年近く、癒しを求める時代は続いています。
ストレスが多くて嫌になってしまいますが、セルフケアで自分自身をどうか優しく、癒してあげてくださいね。
【引用文献】
癒しの概念と看護実践 日本看護学会誌 Vol7,No.2,pp.18~24,1997
【参考サイト】
こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~ 厚生労働省
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