日本史から考察するルッキズム「外見至上主義」の思想と「美の基準」
こんにちは、臨床化粧療法士®のYOKOです。
今回は、2022年の新語・流行語大賞に選ばれた言葉「ルッキズム(外見至上主義)」という思想と、美における基準「美しさとはなにか」について、私なりに考察をしてゆきたいと思います。
ルッキズムとは?
「ルッキズム」とは外見至上主義の思想のことをいいます。
外見のみを重視して人を判断したり、要望や容姿を理由に差別的な扱いをすること
と定義されています。
「SDGs」との関連もあり、10番目の目標「人や国の不平等をなくそう」と深く関係しているそうです。
10番目の目標は、世界中のあらゆる不平等を減らすこと。
日本では2021年に三省堂国語辞典にはじめて「ルッキズム」が登録されました。
ルッキズムが起こる原因は、「こうあるべき」「こうでなければならない」といった誤った情報やメディアの影響が大きいと考えます。
SNSが美の基準?
Z世代と呼ばれる若者たちは美容もファッションもまた生き方も、SNSのインフルエンサーに影響を大きく受けていると感じています。
上記の写真は人工知能AIが作成したものです。
人工で作成された美しさと自分に相違があると、加工した偽りの美しさを美の基準とし、「もっと顎を細くしたい」「エラを削って顔を小さくしたい」「鼻を高くしたい」「目を二重にしたい」「色を白くしたい」と美容整形の沼に陥ってしまっている若者も少なくはありません。
十分に素のままで美しいのに、二重の幅を大きくしたい、エラを削りたいなど他人からみたらまったく気にならない二重の幅の数ミリが本人たちは気になって仕方がないようです。
日本では「肌が陶器のようにきれいであること」「色が白いこと」「顔が小さいこと、細いこと」「目が大きいこと」などが美の基準となり、SNSでは自分の顔を加工した画像を投稿して、「きれい」「かわいい」と称賛を浴びることが、或る種1つのステータスになっています。
平安時代と令和の「美人」の定義の相違
平安時代に見る美人の定義は以下のようなものでした。
・切れ長の細い目
・きめの細かい色白の肌
・ふっくらした頬(おたふく顔)
・サラサラしたツヤのある長い黒髪
・体型もふくよか
・大きな顔
・鼻筋が通った小さな鼻
・おしとやかな口(おちょぼ口)
それに対して令和に見る美人の定義は
・なめらかで透明感のある肌
・印象的な目
・うるおいのある唇
・まっすぐで整った鼻・鼻筋
・丸みのあるおでこ
・すっきりとしたあご、フェイスライン
・きれいな口元
・均等な縦のパーツ配置
・小顔
・スレンダーな体型
と、約1000年前とは真逆に近い定義だったのです。
今後1000年後には美の基準がどうなるのかはわかりません。
現在も写真は加工が当たり前、プリクラなどの本人とは別人に近い写真が本人としてアイコンになっているなどを考えると、アバターの登場もそう遠くない未来かもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
美の基準を情報に惑わされながら、流行りの美容法や美容整形を行うのではなく、今一度、「自分自身の美の基準」をしっかり持っちつつ、内面からの魅力にも向き合える人間性を目指してみませんか?
最後に、大好きなココシャネルのことばを。
「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」
来週の火曜日に日時が迫っておりますが、協会主催の公開講座にて講師を担当いたします。
ご興味のある方は、下記リンクより詳細をご覧ください。
お読みいただき、ありがとうございました。
参考:
ルッキズムとは?SDGsとの関係や解消するためにできることは 協和キリン株式会社
https://www.kyowakirin.co.jp/stories/20230529-03/index.html
日本美容医療リスクマネジメント協会 ~日本における美人の変遷~ 医療社団法人 白壁会 理事長 白壁 征夫
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