アピラボbyメーキャップラバーズ

臨床化粧療法士®が回答!リストカットの傷痕ケア・爪のケアについて

こんにちは、臨床化粧療法士®の河村しおりです。

 

今回は、ある方からお寄せいただいたご質問について、回答をしてゆきたいと思います。

 

同じようなお悩みを抱えていらっしゃる方の参考になれば嬉しいです。

 

今回お寄せいただいた2つの質問

 

①リストカット傷痕ケアについて

 

周囲でリストカットの悩みが多く頭を悩ませています。 本人達はお仕事などで、水を使うことが多く困っているというのですが、家族に秘密にしているため、直接医療機関に繋げられず…何かできることはないものでしょうか。
(個人情報保護の観点から文面は一部編集させていただいております)

 

回答

身近で起こっている現実を目の当たりにしながら、自分自身が何も出来ずにいることに対して、とても切ないお気持ちが伝わってきます。

 

リストカットを含む、いわゆる自傷については、行為の原因となる事柄や背景が個々に違い、多岐に渡るため、第三者がすぐさま予防を促すことは医療の中でも難しいと言われてるようです。

 

出来れば阻止に努めたいところですが、たとえそれが難しくとも、今回のように「何かできることはないか」と模索されている、その姿勢にまず感銘を受けました。

 

同時に、同じような想いを抱かれている方もいらっしゃるのではないか考え、今回記事にさせていただこうと思いました。

 

この場合、まず、最も重要なのは傷痕のケアです。

 

カミソリやカッターの刃はとても粗く、繊細な皮膚や血管を荒々しく傷つけます。

 

その為、雑菌が入りやすく、化膿したり、細菌感染を起こしやすい状態となります。

 

傷痕を隠すために、不衛生な状態のまま包帯でぐるぐる巻きにしたり、リストバンドで締め付けたりを繰り返すと、将来的に傷痕も残りやすくなってしまいます。

 

余談ですが、私は過去に、美容室や理容室に道具や材料を提供して巡る美容ディーラーというお仕事をしていました。

 

アトピー性皮膚炎や、いわゆる水アレルギーでお悩みの理美容師さん達をたくさん見てきました。

 

そこで、当時の私がご提供していたのが、プロテクトスキンフィルムとう商材でした。

 

主に水仕事での指先の保護に役立つものです。

 

これと同じような原理で対応できないかと考え、探してみると、良さそうな商品がいくつか見当たりました。

 

「手首 保護 フィルム」

 

などで検索をしていただくと、水仕事も可能な手首サポーターが出てきます。

 

傷痕の衛生を保ったうえで、積極的に保護をすること。

 

傷の範囲によってはキズパワーパッドの様なアイテムも有効的かと思われます。

 

その上からスカーフなどでカモフラージュしたりしても良いでしょうし、個人的には12分袖の指穴付きカットソーがとてもおススメです。

 

 

画像引用元:マルイウェブチャネル

 

(またまた余談ですが、私は手の甲や手首が保護される感覚が好きで、GUの指穴付きのトップスを普段からよく着ています。寒さ対策にもUVケアにもなる優れもの!と個人的には思っています。)

 

自傷行為は、衝動性が高く、どうしても繰り返してしまうケースが多いようですので、すぐには難しいかもしれませんが、いずれ少しずつ傷が癒え、カバーメイクが出来る状態になったら、それも一つの選択肢として残っています。

 

たとえ自分を傷つけてしまうことがあったとしても、メイクやおしゃれを楽しめないわけではありません。

 

「保護を促しながら経過を観察してゆく」

 

というのが、今できる確かなこと、かも知れません。

 

万が一の際は医療機関への連携も視野に入れつつ、見守ってゆけると良いのではないかと思います。

②爪のケアについて

 

清掃業です。 シーツ交換で水分がとられ、爪が割れ、むけてしまって痛いです。水仕事はゴム手袋をしているので大丈夫ですが、ネイルは躊躇があります。何か良い方法はありますか?
(個人情報保護の観点から文面は一部編集させていただいております)

 

回答

爪の不具合が、どれほど辛いことで、日常生活に支障をきたすか、私もこれまでの治療中に体感してきました。

 

消毒液も沁みるし、とてもお辛い状況かと思います。

 

シーツ交換の作業は、きっと素手でなければうまくいかないのでしょう。

 

爪のケアの第一歩は、お肌のケアと同じように、保湿が挙げられます。

 

就寝前に、ハンドクリームでもオイルでも、好きなアイテムで良いので、手の甲側から指先に向かってなじませることを意識して、保湿します。(塗りすぎは、逆効果になる場合もあるので注意しましょう)

 

特に、爪の生え際の甘皮部分は優しく丁寧になじませます。

 

そして、可能であればナイト手袋をして眠ります。

 

爪は伸ばさないようにします。

 

割れたり欠けたりしている部分は、衣類などに引っ掛かり、更に割れ目が深くなるなどの可能性が高く、危険ですので、爪やすりなどでなるべく鋭利な部分がむき出しにならないようにケアをしましょう。

 

ちなみに私は、ロート製薬の爪補強コートを使用しています。

画像引用元:ロート製薬

 

少し薄付きな気がするので、補強レベルに併せて重ね塗りをすることもありますが、すぐに乾くし、光ったりせずにマットな質感で、自爪のままの見ために仕上がるところが個人的には気に入っています。

 

基本的に、生えてしまった爪は、対処しかできませんが、本当はなるべく健康的な爪を生え変わらせることが理想です。

 

そうなると、フォーカスすべきは食生活

 

爪を健康に保つには、タンパク質、亜鉛、鉄分、ビタミンB2、ビオチンなどの栄養素を摂取することが大切です。

 

サプリメントの活用も視野に入れながら、心掛けてゆけると良いかも知れません。

 

保湿ケアと栄養摂取

 

を意識しながら、経過を見てゆくと良いかと思います。

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

他人事だと思っていたけど、実は自分の日々のセルフケアに役立つポイントも含まれていた、という方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

傷痕のケア、爪のケア、いずれも乱れたままでは、健やかな日々の暮らしに差し障ります。

 

我慢しないで、出来る事から、一緒に始めてみましょう。

河村しおりへの質問方法は?

 

私へのご質問は、本サイトの相談フォーム他、InstagramやXのDM、LINEアカウントでも承っております。

 

基本的には、個別相談へのご案内となりますが、ご質問の内容によっては、今回のように記事掲載をもって無料で回答もさせていただきます。

 

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この記事を書いた人

河村 しおり

臨床化粧療法士®
2002年指定難病SLE発病。一時寝たきりになるものの、長きに渡る闘病とリハビリの末、お化粧のちからにより社会復帰を果たす。2012年より理美容総合卸売業を経て、2017年4月、一般社団法人日本臨床化粧療法士協会を設立。学術研究に基づいたアピアランスケアの考え方を提唱。

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