お化粧による心理的効果
みなさんにとって、お化粧はどんな意味を持ちますか?
お出かけの日にとびきり美しくなる魔法でしょうか。
それとも日常に彩を添えるアイテムでしょうか。
心理学的な観点からみると、お化粧は2つの意味があると言われています。
今回はそのことを詳しく記してみたいと思います。
心理学的観点からみたお化粧
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慈しむ化粧と飾る化粧
お化粧に関する研究は1980年代から盛んになってきました。
しかし、古代ギリシャやヨーロッパでもお化粧の分類は始まっていたのです。
当時からお化粧は「慈しむ化粧(スキンケア)」と「飾る化粧(メーキャップ・フレグランス)」の2種類に分類されています。
古代ギリシャではピラミッドを作る人々を乾燥から守るために、油を塗るスキンケアを勧めていたそうですよ。
一方、メーキャップのほうは「虚飾」なんていう意味があり、少しイメージが悪かったようです。
※図1
スキンケアの心理的効果
では、慈しむ化粧であるスキンケアにはどのような心理的効果があるのでしょうか?
「化粧と感情の心理学的研究概観」(阿部,高野 2011)によると、スキンケアにはリラックスとリフレッシュの過程があるとされています。
朝は活力をアップするような、夜は安らぎを求めるような期待をもって、みなさんスキンケアに取り組んでいるようです。
また他の研究では、エステなどの美容マッサージ・スキンケアは寝姿勢によるリラックス効果とマッサージによる快適感の増大と緊張感の緩和が示されています。(湯浅 1984)
メーキャップの心理的効果
「飾る化粧」であるメーキャップは、見せる相手に感情的な効果をもたらします。
顔に着色する行為であるメーキャップは「直線的な顔立ち」と「曲線的な顔立ち」、「大人っぽさ」「子供っぽさ」の印象を相手に与えます。
直線的な顔立ちよりも曲線的な顔立ちのほうが親近感を与え、幼さ、子供っぽさを感じる顔立ちは「守りたい」という印象を与えます。
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また、メイクをしている本人にとっては、積極的に人に会いたくなったり、人に会った時に恥ずかしくないと感じられたりという心理的効果がもたらされます。
※図2
上手に心理的効果を利用しよう
ここまで、慈しむ化粧であるスキンケアと飾る化粧であるメーキャップについてお伝えしてきました。
それぞれの心理的効果を踏まえたうえで、お化粧を日常生活に生かしていくにはどうすればいいでしょうか?
人に会う自信を持つために
まずひとつは、人見知りなあなたへ。
ぜひメーキャップをしてみてください。
いつもよりも自分に自信を持って、人に会うことができますよ。
これまで敷居が高く感じていた場所も、メイクをすれば堂々と訪れることができるかもしれません。
がんばった自分へのごほうびに
次は、1日がんばったあなたへ。
お好みのクレンジングでゆっくりとメイクを落とし、化粧水や乳液、オイルでスキンケアをしてあげましょう。
お肌にいいのはもちろんのこと、1日中続いていた緊張感がほぐれて、リラックスすることができますよ。
ここぞという勝負の時に
最後は、プレゼンや就職活動など、気合をいれたいあなたへ。
相手にどんな印象を持ってもらいたいですか?
メイクで視覚的に、その場を制してしまいましょう。
※図3
それぞれ、詳しく知りたい方は、ぜひ個別カウンセリングをご利用ください。
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まとめ
お化粧は自分にも相手にも、心理的に影響を与えるものです。
お化粧ひとつで、気分が変わったり人に与える印象が違ったりしたら、本当に魔法のようですよね。
お化粧を上手に利用して、生活に変化がみえるとよいですね。
【参考】
阿部 恒之 高野 ルリ子 化粧と感情の心理学的研究概観 におい・かおり環境学会誌 42巻5号 2011 338-343
湯浅 正治 エステティックマッサージによる化粧の安らぎ効果 フレグランスジャーナル 64 1984 42-43
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